今日はレンタカーを借りて古城街道(ドイツ語で「Burgstrasse」、英語で「castle road」)を走るつもりです。
さらばハイデルベルク
休日の朝だからか、ホストさんはまだ寝ています。
昨夜、チェックアウトの時間を伝えた時に、
「チェックアウトの時に俺がまだ寝てたら、鍵を置いていってくれればいいよ」
という話でした。
感謝の書き置きと共に、鍵を部屋に置いてマンションを出ます。
レンタカー屋での挫折
路面電車に乗って、レンタカー屋さんを目指します。
30分以上早く着いてしまったので、周囲の道路を歩き回りながら、運転のシミュレーションを綿密に行います。
そうこうしている間に、無性にトイレに行きたくなってきました。
しかし、休日の早朝のため、お店はどこも開いていません。
トイレの少なさと有料制は、ドイツ観光の最大のデメリットです。
立ち小便してしまっては日本の恥、という気持ちの一心で尿意を必死にこらえながら、レンタカー屋さんの開店を待ちます。
開店時間とほぼ同時に入店しましたが、すでにお客さんでいっぱい。
10分程待っていたら、順番が来ました。
『三日前に予約した者です』
と、カウンターの方にお伝えします。
パスポートと国際免許を渡しましたが、
「日本の免許証も出してください」
と言われます。
ヤバイです。
日本の免許を持ってきたかどうか、覚えていません。
財布やカードケースを一通り探しましたが、見つかりません。
『日本に忘れてきたかもしれません』
と伝えると、
「それじゃあ、車は貸せませんね」
という話になりました。
なんということでしょう。
随分と道順の下調べやシミュレーションに時間を費やしましたが、あっさりと無駄な努力となりました。
キャンセル料を請求されなかっただけ、まだ良かったかもしれません。
切符を買う
今日を含む三日分の宿は既に予約しているため、とにかく移動しなければなりません。
とぼとぼと駅まで歩き、電車の切符を購入します。
4時間近い旅になるため、席に座れないのは困ります。指定席(4.5ユーロ)を購入します。
電車の時間まで1時間以上あるので、駅のコーヒー屋さんで一杯飲みます。
レンタカーの失敗が尾を引いていますが、終わってしまったことは仕方ありません。
初めてのドイツでの運転に緊張していた事も確かだったので、気が楽になったと思うことにします。
もしかしたら、今日は車に乗るな、という天啓かもしれません。
その後ふと思い付き、カバンの底にしまってある、日本円が入っている袋をまさぐってみます。
すると、日本の免許証が出てきました!
しかし、既に車に乗る気持ちは失せてしまっています。
電車賃の払い戻しやら、レンタカーの再予約やらを考えると、レンタカーの旅に戻すのは面倒です。
別の都市でレンタカーを借りて、ドイツでの運転に少しでも慣れるくらいでいいや、と思うことにしました。
シュトゥットガルト、アンスバッハ、シュタイナッハで乗り換えます。
全部で四本の列車を乗り継ぎます。
この写真はどこの駅だろう。もはや覚えてもいません。
昼食は、シュトゥットガルトでサンドイッチを買って車内で食べます。
しかし、後ろの席の人の体臭がキツく、サンドイッチの匂いと渾然一体になり気持ち悪くなってきました。指定席なので移動もできません。
指定席にもこんなデメリットがあったとは知りませんでした。
ドイツの男性は、体臭がキツイ人か、香水がキツイ人しかいないような気がします。
途中のアンスバッハでは、5~6人くらいの子供を連れた親子が乗って来ました。
大家族バックパッカーです。
こんな旅行の仕方もあるのか、とちょっと羨ましく思いました。
途中で雨も降ってきました。
「なんだ、レンタカーに乗らなくて良かったじゃないか」
と、負け惜しみを心の中で言ってみます。
観光客よ、これが中世だ
宿にチェックイン
宿は市役所前の広場のすぐ近く。
「Gasthof Goldner Greifen」というホテルです。
一泊54ユーロと安い方です。
レストランの上階が宿になっているようです。
受付のお姉さんが伝統的民族衣装を着ていたので、
『祭りの日なのでその衣装なのですか』
と訊いたら、
「いつもこれよ」
とのお話。
宿の制服のようです。
部屋は、屋根裏の隠し部屋みたいなところですが、バスルームとテレビはあります。
部屋は、WiFiがぎりぎり届くか届かないかの範囲だったので、あまりネットはできませんでした。
ネットよりも街を見ろ、という事なのかもしれません。
街を歩く
荷物を置いて、町の散歩へ。
庭園やら、城壁からの見晴らしやら、町並みやら、非常に風光明媚な場所です。
旅行者の人気も高いはずです。
スーパーやコインランドリーは見かけませんでした。観光メインの場所なので当然でしょうが。
歩き疲れたので、適当な喫茶店でケーキセットをいただきます。
「マイスタートルンク」(酔っ払い名人)
そのあと、夕食の時間まで再度散歩します。
すると、市役所前の広場に何やら囲いができているではありませんか。
こちとら時間は死ぬほどあります。
何が起こるのかも知りませんが、待ってみます。
徐々に観客が集まってきます。
19時ごろ、パレードが始まりました。
「コスプレ」+「よさこい」+「マーチングバンド」に、動物が加わったような雰囲気です。
なかなか陽気で派手な祭りです。
※翌日、宿のフロントの人に訊いたところ、「マイスタートルンク」(酔っ払い名人)という祭りだと判明しました。
漫画喫茶もレンタルビデオ屋もPCも無かった時代は、娯楽と言えば着飾ったり祭りをしたりする事だったのでしょう。
パレードが終わりに近付いてきたっぽいので、夕食を食べにドネルケバブ屋さんに行きます。
本日も終了です。